ビオラは秋冬の代表的な草花です。寒い時期に冬の庭や花壇を彩ってくれるため、多くの人に人気があります。
この記事では、ビオラの魅力や育て方について解説します。ビオラは寒さに強く育てやすいため、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。記事を読めば、ビオラの花をたくさん咲かせるコツがわかります。記事を参考にして、ぜひお気に入りのビオラを育ててみてください。
ビオラの基本情報
ビオラは秋から春まで花を楽しめるスミレ科の植物です。詳細は以下のとおりです。
- 1年草
- 草丈:5~20cm
- 開花時期:10~5月
- 耐寒性:強い
- 日当たりの良い場所を好む
ビオラは品種改良が盛んな植物で、毎年新しい品種が登場しています。その数は500種類以上と言われており、色や形はさまざまです。
フリルみないな花びらもある!
落ち着いたアプリコットカラーは大人の女性にオススメだよ。
最近では、一つのポットに2色のビオラを植えて販売している苗が増えています。新しい品種のビオラはやや高価ですが、存在感のある花姿はとても魅力的です。
ビオラはガーデニング初心者におすすめ
ガーデニング初心者にビオラをおすすする理由は以下のとおりです。
- 育てやすい
- 花持ちがいい
- 種で増やせる
- 切り花として家の中に飾れる
ビオラは丈夫で育てやすい植物です。秋冬は水管理がしやすく、病害虫が少ないことも育てやすい理由の一つです。ビオラの開花期間は10~5月の7か月間と長く、適切に育てれば次々と花を咲かせてくれます。
スペースを選ばずに育てられるサイズ感もいいよね!
ビオラの苗は締まった株を選ぶ
ビオラの苗を購入するときは、よく締まった株を選ぶのがポイントです。締まった株とは、下の土が見えないくらいこんもりとした状態の株のことを言います。節と節の間隔(節間)が短く、太くてしっかりしているものが良い苗です。逆に「ゆるい株」は節と節の間隔が長くヒョロヒョロしており、隙間があるため根本がぐらついています。
締まった株のほうが花がたくさん咲くよ。
節間の長い株は栄養が十分に届かないため、花付きが悪くなります。
ビオラの育て方
ビオラは丈夫で育てやすい植物ですが、特性を知っておくとより元気に育てられます。この章では、ビオラを育てるポイントについて解説します。
水はやりすぎない
ビオラはさほど水やりを必要としません。加湿を嫌うため、やや乾燥気味で育てるのがポイントです。地植えの場合、雨が降らない日が続いたとき以外水やりは不要です。鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと与えます。水やりは午前中の早い時間帯がベストです。特に冬の時期は霜の被害を避けるため、午後の水やりは避けましょう。
浅い鉢を選ぶ
ビオラを鉢植えする場合は、浅い鉢で管理すると失敗しにくくなります。大きな鉢だと土の中に水分が残りやすく、水管理がしにくいからです。
オシャレな浅い鉢ってあんまり売ってなくない?
たくさん植える場合は、ブリキや陶器で作られた雑貨系の鉢がおすすめです。ポップなデザインは可愛らしいビオラと相性が良く、深さもちょうど良いものが揃っています。
寄せ植えだったら深めの鉢でも大丈夫だよ。
ビオラを鉢植えする手順
ビオラを鉢植えする手順は以下のとおりです。
- 浅めの鉢を用意する
- 草花用の培養土に元肥を混ぜておく
- 鉢底ネットを敷いてから鉢底石を敷く
- 底の部分の根元をほぐしてから鉢に入れる
- ウォータースペースを残して土を入れる
- 植え付けが完了したら水をたっぷりとあげる
株がぐらつく場合は、少しだけ深めに植えると株が安定します。元肥は忘れずに入れてください。水やりをあまり必要としないビオラにとって、元肥は重要です。追肥は暖かくなってから与えれば十分ですが、生育を早めたい場合は11~12月の間に液体肥料をあげると効果的です。植え付け後2週間くらいたってから、1~2週間に1回くらいの頻度であげましょう。
鉢植えの際、鉢底ネットの代わりに「アミ袋 鉢底土ネット」に鉢底石を入れてを使うのもおすすめです。
ネット状の袋に鉢底石を入れて敷くだけだよ。
植え替えのときにめちゃラクだね。
鉢底石をこれから購入する方は、すでにネットに入った状態で販売されている商品がおすすめです。
球根が入っていたネットなんかを使うのもアリだよ。
ビオラは育つと一回り~二回り大きくなるため、数株植える場合は少し間隔を空けておきましょう。鉢に植えたときは、鉢の下にレンガなどを敷いて地面との間に隙間を作ると水はけが良くなります。
花を長く楽しむコツは日当たりと切り戻し
花を長く楽しむコツは、日当たりと切り戻しです。ビオラは日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所で育てると花を長く楽しめます。切り戻しは時期とタイミングがポイントです。
10月・11月は切り戻し作業をする
10月に購入したビオラの苗は株が徒長(※)していることが多く、切り戻し作業が必要です。日中と夜間の寒暖差寒暖差が大きい10月は徒長しやすく、花付きが悪くなります。この時期に切り戻しを行うと脇芽の成長が促され、こんもりとした大きな株に育ちます。
(※)徒長…急激に茎が伸びること。
徒長したビオラは見た目が悪いだけではありません。ヒョロヒョロとした細い茎は倒れやすく、病害虫の耐性が弱くなるため、徒長を防ぐ管理が大切です。ただし、12月以降に切り戻すと次の開花が翌年の3月頃になってしまうため、遅くとも11月中に切り戻すのがベストです。
寒くなってからは、徒長していてもそのままにしてね。
深く切りすぎると枯れてしまう可能性があるため、根元から2~3節くらいの場所で切り落とします。バランスを見ながら、花や蕾を少し残して切りましょう。
3月下旬から4月にかけて気温が急激に上がると、ビオラの茎が急に伸びてきます。その場合は、切り戻してあげると再び新しい蕾が出てきます。切り戻したら、しっかり肥料を与えてください。
暖かくなってからも、いったん切り戻すんだね。
切り取った花は花瓶に生けたり、水を入れた容器に浮かべてフローティングフラワーにしたりして楽しめます。
花がらはこまめに摘む
寒い時期でも、花が咲き終わりそうになったら、早めに花がらを摘み取ってください。そうすることで次々と蕾が上がります。
花がら摘みと切り戻しは違うの?
花がら摘みは、咲き終わった花を取る作業だよ。
種を付けると栄養分が種のほうに行くため、花付きが悪くなってしまいます。花の部分だけ手で取っても構いませんが、見た目を良くするなら節の部分から切るのがおすすめです。
咲き終わりの花ってどうやって見分けるの?
色が抜けてガクの部分が反り返っているのが咲き終わりの花だよ。
最初は咲き終わりと蕾を見分けるのが難しく感じるかもしれませんが、まめに観察しているとだんだん分かってきます。
種を取る場合は5~6月がベスト
ビオラの種を取る場合は、生育が終わる5~6月頃が適しています。早い時期に種を付けてしまうと、花を長く楽しめなくなるからです。
ただし、ビオラの多くは交配されて作られているため、収穫した種をまいても同じ花が咲くとは限りません。また、「パテント商品」と呼ばれる植物は特許を持っているため、苗を増やして人に譲渡したり販売することが禁じられているため注意してください。
ラベルを確認すればいいんだね。
自分のお庭で増やして楽しむのはOKだよ。
種まきの適期は8月後半から9月中旬です。ただし、種から育てるのは難易度が高く、中級者以上向けになります。
ビオラのよくある質問
ビオラは10月に買ってはいけないの?
10月にお店に出回っているビオラは徒長している株が多く、ヒョロヒョロとしているため花付きが良くありません。ただし、暖かい10月中に思いきって全体を切り戻してあげれば、株をこんもりさせることが可能です。年内に花を咲かせいときは、週1回の頻度で液体肥料をあげてください。
切り戻すと10月・11月は花を楽しめなくなるけど、しっかりした株になるんだね!
ビオラとパンジーは何が違うの?
ビオラとパンジーは同じスミレ科スミレ属の植物です。本質的には同じ植物ですが、便宜上、以下のように花の大きさで区別されています。
- ビオラ:花の直径が4cm以下
- パンジー:花の直径が5cm以上
えっ、それだけ?
花の形状も少し異なります。ビオラは花びらが薄く平らで、花数が多めです。パンジーは丸みを帯びた花びらが重なり合うように咲きます。
ビオラの育て方まとめ
ビオラは多くの人に愛されている冬の代表的な草花です。丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめです。上手に管理すれば、半年以上花を楽しめます。ビオラの株を大きくするコツは、日当たり・肥料・水管理・切り戻しと花柄摘みです。ビオラはたくさんの種類があるので、ぜひお気に入りのビオラを見つけて楽しんでみてください。
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