チューリップは幅広い世代に人気の花ですが、育てるのが意外と難しく感じる人も少なくありません。この記事では、チューリップの上手な育て方について詳しく解説します。
チューリップ?別に難しくないんじゃないの?
それがねぇ、いろいろコツがあるのよ。
記事を読めば、失敗せずにチューリップを育てる方法がわかります。これからチューリップを育ててみたい方や、チューリップの球根を植えたのに花が咲かなかった方は、ぜひ参考にしてください。
チューリップの基本情報
チューリップはユリ科の球根植物です。草丈は30〜50cm程度で、4月中旬~5月上旬に開花します。日当たりの良い場所と、水はけの良い土壌を好みます。原産国はトルコで、オランダで品種改良が盛んに行われるようになりました。現在では6,500種類以上の品種が存在します。
品種改良は今も続いているよ!
花びらの形もいろいろだね。
チューリップには「早咲き」「中咲き」「遅咲き」の3種類あります。開花時期は以下のとおりです。
- 早咲き:3月下旬~4月上旬に開花
- 中咲き:4月中旬に開花
- 遅咲き:4月中旬~下旬に開花
開花時期の異なるチューリップを一緒に植えれば、長い期間チューリップを楽しめます。
チューリップの球根は国産がおすすめ
球根を購入する際、以下のポイントを意識して選んでください。
- 国産の球根を選ぶ
- 大きなサイズの球根を選ぶ
- 重みや張りのある球根を選ぶ
チューリップの球根は国産と輸入の2種類あり、輸入球のほとんどがオランダ産です。輸入球は輸送時間が長いため、国産に比べて球根が傷む可能性が高くなります。とはいえ、販売されている球根の多くはオランダ産です。球根を購入する際は、手に取って状態をしっかりチェックしましょう。
軽くてスカスカしていたり柔らかくなっている球根は傷んでいる可能性が高いため、避けてください。
苗でも販売されているけど、球根から育てたほうが長く楽しめるよ。
チューリップの球根を購入する方法
チューリップをの球根を購入できる場所は、主にホームセンター・園芸店・オンラインショップの3つです。チューリップの球根の入荷量は年々減少しており、価格も上昇しています。人気の品種はすぐに売り切れてしまうため、早めに購入することをおすすめします。
温暖化などの天候不順も、生産量が減った要因のひとつなんだって。
ホームセンター
ホームセンターは気軽にチューリップの球根を手に入れられます。セール品や割引商品、大量パックなど、お得に購入できるのもホームセンターのメリットです。定番カラーのチューリップを大量に購入したい人にはコメリがおすすめです。オンラインで事前予約して店舗で受け取れます。
園芸店
近くに園芸店がある人は、ぜひ足を運んでみてください。品種が豊富なうえ、スタッフさんから専門的なアドバイスももらえます。さまざまな植物の苗を置いているため、チューリップの寄せ植えに合わせる植物も見つけやすく、選ぶ楽しみがあります。
オンラインショップ
定番ではない品種の球根を確実に手に入れたい場合、オンラインショップでの購入がおすすめです。園芸店のホームページや楽天市場、アマゾンなどで購入できます。
送料がかかるショップも多いから、上手に利用してね。
ネットで買えば時間と労力の節約にもなるね。
チューリップの球根を植えるときのポイント
チューリップを上手に育てるにはいくつかのポイントがあります。
気温が下がる時期に植える
チューリップを植える適期は地域や気候によって異なりますが、関東地方では気温が下がり始める11月頃がベストです。気温が高いうちに植えてしまうと以下のような状態になり、綺麗な花が咲きません。
- 球根が腐ってしまう
- 早く芽が出てきてしまう
球根は10℃以上になると発芽します。9月、10月に球根を植えると早い時期に土から芽が出てしまい、冬の霜や寒風で傷んでしまいます。土の中で球根の根と芽が出たところで冬に一旦成長が止まり、3月・4月に再び成長を始めるのが理想です。
真冬に植えるのも良くありません。気温が低すぎると全く成長しないからです。その結果、生育が遅れて株や花が小さくなってしまいます。チューリップは、開花の準備をするために一定期間低温にさらされる必要があります。
「低温要求期間」と呼ばれているよ。
暖かい環境にずっと置かれた状態だと、花芽が付かずに葉だけ伸びていきます。しっかりと低温にさらされるためには、土の中の温度が5℃前後の状態で、2か月程度の期間が必要です。鉢植えの場合も、冬場は外で管理してください。早咲きのチューリップは1か月半程度、遅咲きの場合は3か月の低温要求期間があれば花芽が付きます。
どの開花時期でも、しっかり寒さに当てないといけないんだね。
お店では9月からチューリップの球根が並びますが、暑い時期に植えると球根が蒸されて腐ってしまうため、気温が下がるのを待ちましょう。
日が当たる場所に植える
チューリップを植える場所は、南側の日が当たる場所が適しています。チューリップは光が少ないと徒長(※)しやすく、ヒョロヒョロとした弱い花になります。花が咲いてからは日陰に移動したほうが長く楽しめるので、鉢植えの場合は場所を移動するのがおすすめです。
(※)徒長…植物の茎や枝が通常よりも長く伸びてしまう現象
私は北側にある玄関アプローチと、南側にある花壇に植えました。同じ日に植えたので、成長過程を比較してみようと思います。
成長記録は別記事で紹介しているよ!
球根の向きを意識して植える
チューリップの球根を植えるときは、向きも意識してください。球根を見れば、葉の出る箇所や向きがわかります。
先がとがっているほうを上にすればいいんでしょ?
それもあるけど、それだけじゃないよ。
チューリップの球根は、膨らんでいる側と少しくぼんでいる側があります。最初にくぼんでいる側から葉が出てきて、次に膨らんでいる側から出てくるので、方向を揃えて植えるのがおすすめです。
葉の向きが揃うと綺麗に見えるね!
一番最初に出てくる葉が一番大きいため、大きな葉が後ろになるように植えると、正面から見たときに綺麗に見です。
少しななめにして植えると、よりオシャレに見えるよ。
プランターに植える場合は、丸形の鉢に植えるときはへこんでいる側を鉢側にして植えると綺麗に見えます。
- プランター:膨らんでいる側を前にする
- 丸い鉢:へこんでいる側を鉢側にする
丸形の鉢では、大きな葉を外向きにしてあげたほうがいいんだね。
地植えでたくさん植えるときは、あえて無造作にばらまいてレイアウトを決めると自然な配置になります。その場合も向きを意識して植えると、より素敵に花を咲かせてくれます。
芽が出るまでは水をやりすぎない
植え付け直後はたっぷりと水をあげますが、そのあとは、あげすぎないように注意してください。水をあげすぎると球根が腐る原因になります。
水やりの時間にも注意が必要だよ。
水やりは必ず朝に行います。寒い時期は、遅い時間に水やりをすると土の中で水分が凍ってしまう恐れがあるからです。特に鉢植えの場合、朝に水やりをして、しっかり水分が抜けるようにしましょう。
そもそも水やりって必要なの?
全く水をあげないと土の中でチューリップの花芽が枯れてしまい、芽が出ても花が咲かないので注意してください。
チューリップの球根を植える手順
チューリップの球根を植える手順は以下のとおりです。
- 外側の茶色い皮をむく(手でむける範囲でよい)
- 培養土に元肥を加える
- 鉢に鉢底石を入れる(長い鉢の場合は5分の1程度の量)
- 元肥を加えた培養土を入れる
- 鉢の縁から10cm程度の深さに球根を入れる(露地植えの場合はもう少し深く植える)
- 土を少し被せ、球根の位置を避けて他の植物を植える
- 水をたっぷり与える
植える深さは球根2球分が目安だよ。
たくさんの球根を地植えしたいときは、球根植え器を使うと便利です。植えたあとの水やりのタイミングは以下のとおりです。
- 一緒に植えた植物の状態を見て確認する
- 鉢を持ち上げて重さを確認する
鉢の下にレンガなどを敷いて隙間を作ると、水がしっかり抜けやすくなります。
水管理が苦手な人は寄せ植えがおすすめ
水やりのタイミングが難しいチューリップですが、鉢植えの場合は寄せ植えがおすすめです。ほかの植物と一緒に植えることで、鉢の中に水分が残ってしまうのを防げるからです。
水管理がしやすくなるってことだね!
チューリップの寄せ植えでおすすめの組み合わせは以下のとおりです。
- ムスカリ(開花時期:3~4月)
- ヒヤシンス(開花時期:3~4月)
- ストック(開花時期:11月~1月上旬または3~5月)
- アリッサム(開花時期:3~5月)
- ビオラ(開花時期:10月~翌年5月)
チューリップ、ムスカリ、ヒヤシンスの球根を一つの鉢に植えるのもおすすめです。
ヒヤシンス→ムスカリ→チューリップの順に花が咲いて楽しいよ!
ビオラなど秋冬に咲く花の苗と一緒に植えるのもおすすめです。球根を植え付けた直後でもさみしくならず、花を楽しみながら水管理ができます。アイビー(ヘデラ)など、常緑のつる性植物と合わせるのもおすすめです。
チューリップに関するよくある質問
チューリップを育てるうえでよく聞く疑問や質問についてまとめました。
チューリップを植えたのに芽が出ない
チューリップの芽が出ない主な原因は、水のやりすぎです。冬の時期は空気が乾燥していますが、土は乾きにくくなっています。水分が多い状態が続くと、冬でも球根は腐ります。鉢植えの場合は、鉢を持ち上げて重さを確認すれば、水やりのタイミングがわかります。
球根そのものが傷んでいた場合も発芽しないため、購入・植え付けの際はよくチェックしましょう。
チューリップは来年も芽が出てくる?
花を咲かせたチューリップの球根を、翌年も咲かせることは可能です。ただし、いくつか条件があるため、確実に花を咲かせたい場合は新たに球根を植えたほうが確実です。来年もチューリップの花を咲かせるためのポイントは、以下のとおりです。
- 大きな球根を植える
- 元肥と追肥を与える
- 花の切り戻しを早めに行う
- 梅雨前に掘り上げ、11月頃に植え付ける
チューリップは花を咲かせると養分を使うため、球根が小さくなります。そのため大きな球根を選べば来年に持ち越す養分が増えます。また、花が咲いている期間が短いほうが養分を球根に残せるため、花がある程度開いてきた段階で花首を切ることが大事です。花が咲き終わるまでそのままにしておくと、種に養分が行くため翌年は花を咲かせません。
いかに球根に栄養分を貯めておけるかがポイントだよ。
じゃあ、いっそのこと種から育てちゃえば?
チューリップを種から育てると、花を咲かせるまでに5年はかかるんだよね…。
長っ‼nanaには絶対無理だね。
花を長く楽しみたい方は、新たに球根を購入することをおすすめします。
チューリップの上手な育て方まとめ
チューリップはポイントを理解して植えると、失敗せずに綺麗な花を咲かせることができます。植え付け時期や球根の向き、日当たり、水やりの頻度に気を付けてください。チューリップにはさまざまな色や品種があるので、数種類を組み合わせて植え付けるのもおすすめです。
人気の球根はすぐに売り切れるから、早めに購入しておくといいよ!
私のチューリップ栽培記録はこちら。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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